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インプラント治療治療院長

山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です。

今年は寒くなってきたかと思ったら暖かい日もあったりして、なかなか気温が安定しない年ですね

ただ、いよいよ冬の気温になってきました🥶

体調管理が大変ですが、風邪などに気をつけてお過ごしください💦

抜歯が必要な場合や、元から永久歯がない場合の治療

以前のブログでも書いたことがあったと思いますが、大きく分けて3つの治療方法があります。

1:ブリッジ治療

2:義歯(入れ歯)

3:インプラント治療

あとは、必要なければ何も治療しないという選択もありますが

大体はこの3つの治療方法の中で考えていきます。

ブリッジ治療はどのくらい口の中で持つのか?(比較的条件の良い場合)

条件が良いというのは

ブリッジの支えになる歯に歯周病がないか軽度で骨や歯茎がしっかりしていて、虫歯がないか小さく歯が多く残っており、歯並びや噛み合わせが安定していて、歯ぎしりや食いしばりなどが少ないなどの条件です。

ブリッジをするということは、歯を失ってしまったということなので

事故などが原因でなければ、虫歯や歯周病で歯を失ってから治療をすることが多いので

上記のような条件に当てはまらないことも多いです😰

それと、口腔内の状況やメンテナンス状況で大きく変わってくるので、あくまで目安になりますが

1:保険ブリッジ治療7〜10年程度

保険診療の材料としたら

・レジン前装金属冠ブリッジ(前歯〜小臼歯用):金属フレームの表面に白いレジンを貼ったもの

内部の金属フレームは壊れにくいですが、審美的に貼ってある表面の白いレジンは欠けたり壊れたりします。

また、表面の白いレジンは吸水性もあって変色したり柔らかいため摩耗しやすく耐用年数は比較的短くなります。

・金属冠ブリッジ(奥歯用)

全て金属のフレームなので壊れにくく、耐久性だけなら上記の7〜10年以上は余裕で持ちます。

ただ、金属が溶けてしまったり、金属の特性として熱によって膨らんだり縮んだりするため(歯と金属の熱膨張の違い)すき間が空きやすく中の歯が虫歯になってしまうことで平均寿命は上記のような期間と言われています。

元々、国の保険制度ではブリッジを一度作ると2年間は一部の例外を除いて再作製が認められていません。

なので、国としたら最低2年以上は持つだろうという判断になっていると考えられます。

2:自由診療ブリッジ治療10〜20年程度

こちらもお口の中の状態やメンテナンス状況で予後は変わるので目安とお考えください。

また、自由診療の素材はいくつかあって、部位によって材料の選択が変わることがあります。

・メタルセラミックブリッジ(前歯、奥歯どちらも適応):金属のフレームにセラミックを焼き付けたもの

10〜15年程度(条件によってはもっと長く持つ例も多くあります)

金属のフレームは割れにくく上記の目安期間より耐久性がありますが、表面のセラミックがかけて内部の金属が見えてしまうことで修理ややり替えが必要になることがあります。

内部に金属を使うため透明感がなく、他の歯と色調を合わせるのが難しいため審美性はやや劣ります。

金属も自由に選べるので、ゴールドなどの劣化しにくく適合の良い金属を使用できますが、金属代の高騰と色の問題で現在はあまり選択されない治療方法となってきました。

見た目が気にならない奥歯などで、咬む力が強い方や歯軋りのすごい方などには、白いセラミックを使わずゴールドだけを使ったブリッジは壊れにくく適度に柔らかさもあってお勧めです。

・オールセラミックブリッジ(メーカーの指定で前歯〜小臼歯用)

10〜15年程度

強化されたセラミックなので丈夫ですが、強い力で割れたり欠けたりすることもあります。

そのためメーカーさんから奥歯の負担が強くかかる部位には使用しないように言われています。

透明感があり色調は一番綺麗なので、噛み合わせが良ければ前歯に使うことが多いです🦷✨

歯と接着させることですき間ができにくく、プラークなどの汚れも付きにくい素材なので虫歯や歯周病の予防を考えるとお勧めの材料です。

また、噛み合わせやメンテナンス条件で、目安の期間より長く維持できます。

・ジルコニアブリッジ(前歯、奥歯どちらも適応)

比較的新しい材料で現在15〜20年以上の耐久性が期待されると言われています。

強度が高く、金属を使わない白い材料で見た目も綺麗な材料です。

オールセラミックに比べて透明感が少し劣りますが、前歯にも使用できる材料です。

ジルコニアはいくつも世代があり、初期の真っ白で非常に硬いものから、最近の透明感はあるが少し柔らかいものまで複数の種類があり、硬いものは奥歯、少し硬さを落として色が良いものを前歯などに使いわけすることが多いです。

表面がツルツルで、現在使われている材料の中ではプラークや汚れ、着色などが一番付きにくい材料とされています。

そのため、虫歯や歯周病の予防の面でも使用されることが増えている材料になります。

ブリッジ治療で条件が悪い場合とは?

神経がなくて、歯の大部分が虫歯や以前の治療で既に削られている場合などは非常に条件が悪いです。

そのブリッジがどのくらい持つのかどうか?ですが

正直、わかりません。

噛み合わせが良くて、自分の歯が多く残っていることが長期的な安定につながるので

下手したら数日で硬いものを噛んですぐに割れてしまったり、土台が外れてしまったりする可能性もあります💦

保険診療と自由診療のブリッジの違い

保険診療と自由診療の大きな違いは材質の違いになりますが

実際にはそれ以外の部分もあります。

保険診療は国が決めた費用を抑えた金額なので、使用する材料や治療時間に制限があります。

精密な型取りをするためのシリコン印象や、口腔内スキャナー(保険診療では2024年現在はまだ使用できません)などは使用に制限があり、保険診療ではこだわった治療をすることは難しい面があります。

自由診療は費用をいただく分、院内での使用材料、ブリッジを作製してもらう歯科技工士さんの選択、作成するための材料や時間をかけることができるため、より良い適合や見た目の色などにこだわることができます。

保険診療ブリッジと自由診療ブリッジに共通する大切なこと

保険診療でも自由診療でも大切な条件は上記でも記載しましたが

神経があるのか?神経がないのか?、健康な歯がどれだけ残っているか?があります。

神経のない歯は痛みを感じないので、虫歯になっても痛みが出ないので進行に気付きにくいです。

また、歯の内部の「根管治療(こんかんちりょう)」をするため歯が大きく削ってあると歯が薄くなっており、その分割れやすいため予後が悪いと言われています。

神経の無い歯を使ったブリッジは5年生存率がかなり悪かったというデータもあります。

なので、ブリッジをする歯の状態がどうか?で大きく変わってしまうことがあります。

神経のない歯で大きく歯がなくなっている場合は、長期的に持たない可能が高いのと、ブリッジをした後も定期的な噛み合わせのチェックや調整、歯周病予防のメンテナンスなどが非常に大切になってきます。

まとめると、お口の中の状態や生活習慣、メンテナンスなどで条件は変わりますが、保険診療の材料と自由診療の材料や治療方法の違いで多少の予後が変わると言われているのと

ブリッジをするための歯の状態で、神経の有る無し、健康な歯がどれだけ有るのかブリッジの予後が大きく違ってきます。

また、全く削ったこともなく虫歯も無い歯でブリッジをする場合は健康な部分を削ることになるので、歯に対してはダメージを与えることになったり、染みたり痛みが出るリスクもあります。

インプラントはどのくらい持つのか?

こちらもお口の中の状態で、噛み合わせが悪くて力がかかりやすい、残っている歯が少ない、磨きやすい位置なのかや、メンテナンス状況で変わってはきますが

・5年後の残存率:95%以上

・10年後の残存率:90%以上(文献等では適切なメンテナンスで95%以上が残存しているとの報告が多いです)

・15〜20年後の残存率:80%以上

平均残存年数は15年以上と言われています(50年近く残存した報告もあります)。

これらは報告されている数値で、定期的なチェックやメンテナンスを受けている方が多いので

インプラント治療をされてそのまま歯医者さんに行っていないという方はインプラントは残っているが、周囲が感染してインプラントが歯周病のような状態になっているインプラント周囲炎を発症している方も多いです。

インプラント周囲炎
他院でインプラント治療後、定期的な受診がなくインプラントの周りの骨が吸収している患者さんのレントゲン(インプラント周囲炎のレントゲン像)

このような状態は、痛みがなければ咬めたりはしますが、腫れが出たり、感染しているためウミが出たりしているため良い状態ではありません。

清掃で炎症が止まってくれたら良いですが、清掃を続けても腫れや出血、ウミが出るような状態が続いてしまうことも多いです。

こうなると、外科的な処置で感染を除去できたらこのまま保存することもありますが、それが難しい場合はインプラントを除去して骨を治す必要が出てきます。

当院でインプラント治療した場合は、定期的なメンテナンスの必要性を説明しておりますが

他院でインプラント治療をされて、そのまま受診されていなかった方はこのような状態になっていることが多く

高齢になってインプラントの除去や手術もしにくいとなると、周りを清掃をしながら出来るだけ腫れないようにするしかできないこともあります。

また、インプラントをされた医院さん以外は基本的に補償などもありませんし、インプラントメーカーさんがわからないとパーツの交換もできません。

仮に当院で何かをする場合は、インプラントは原則自由診療で、当院が自由診療でインプラント治療をして費用を頂いてる訳でも無いので治療への責任は取れず別途費用がかかってしまいます。

また、メーカーがわからない場合は対応できないこともあります。

なので、インプラント治療をされた医院さんにまずはご相談頂くことをお勧めしています。

ブリッジとインプラントの比較

・残った歯や身体への負担の比較

ブリッジのように支える歯を削らなくて済むのがインプラント治療のメリットになります。

ブリッジ治療は、元々被せ物が入っている、大きな虫歯がある場合以外は健康な歯を削ることが必要になるので、歯にとっては負担をかけることになってしまうデメリットがあります。

また、神経のある歯はブリッジでも長持ちする可能性はありますが、削ると神経に炎症が出てしまって染みるような知覚過敏症状が出たり、数年して神経が死んでしまう可能性もあります。

インプラントは外科的なオペが必要なので身体には負担がかかりますが、歯にとったら必要以上に削る必要がなく歯に優しい治療方法と言えます。

また、ブリッジは2本の歯で失った歯に橋をかけるようにして最低3本分の歯を作るようになり、残った歯に負担がかかるので、歯が割れたり負担が増えて周囲の骨が吸収しやすくなることがあります。

・治療期間の比較

ブリッジとインプラントを比べたら、合計の治療期間はブリッジの方が早く治療を終えることが可能です。

・費用の比較

ブリッジは保険診療であれば、国の決めた保険治療の費用の1〜3割(負担のない場合もあります)でできるため費用を1番安く抑えられます。

ただ、保険診療でのブリッジの残存年数が短いため、やり直しが必要になることや、虫歯や歯周病、歯が割れて抜歯になってしまうと歯を数本分失うことになり、再度ブリッジができない場合は入れ歯かインプラント治療を選択することになります。

自由診療で比べた場合、ブリッジの方がインプラントより費用を抑えることができるのが一般的です。

自由診療でもブリッジはインプラントに比べて残存年数が短めで、歯の状態によっては早期にダメになってしまうことがあります。

年数で見ると、長持ちするインプラントの方が結果的に費用を抑えたり快適に食事ができることもあるので、ご希望や歯の状態、噛み合わせの状態などで判断するのが良いかと思います。

まとめ

治療には必ずそれぞれメリット、デメリットがあります。

一番良いのは自分の歯で噛めることです!!

ただ、その自分の歯を失ってしまってその歯の代わりを入れる場合は、入れ歯、ブリッジ、インプラントが主な治療方法となります。

その中で、取り外しがなく、固定性(しっかりくっつけて動かなくて違和感が少ない)の治療方法はブリッジかインプラントのどちらかになります。

そのどちらが良いのか?は結局治療費用や治療期間などのご希望だったり、お口の状態で変わってきてしまうというのが当院の考えです(医院さんによってはインプラントが全て1番といった書き方をされているのを見ることがあります。医院さんや歯科医師の考えもそれぞれあってインプラントしかお勧めしないと言った方針を否定するわけではありません。あくまで当院の方針と考えです。)

・ブリッジは支えに使う自分の歯の状態で予後が大きく変わる(神経の無い歯、歯の大部分が失われている場合は歯が割れるリスクが高い)

・ブリッジの方が磨きにくいため虫歯や歯周病になるリスクがある(インプラントも周囲炎と言われる歯周病のような状態になることがありますが、インプラントは絶対に虫歯にならないというのだけは断言できます)

・ブリッジは治療方法や材料によっては使用できる期間が短いと言われている

・初期費用はインプラント>自由診療ブリッジ>>保険診療ブリッジの順で、保険診療ブリッジが圧倒的に費用が低い→ブリッジはやりかえのリスクや歯を失う可能性が高いことがあるので、長期的な視点から見るとやりかえが少なくて歯の保存につながるインプラントの方が費用対効果が高いことがある。

・治療期間の長さは、骨や歯茎の状態にもよりますが、インプラント>>ブリッジで、ブリッジの方が短期間で最終的な被せを入れることができます。

・インプラントは歯茎や骨の状態などで1〜数回の外科的な処置を伴います。

・インプラントとブリッジに共通して言えることは、噛めるようになって終わりではなく、それを維持するために定期的な噛み合わせのチェックや調整、必要に応じてレントゲンによる骨の状態の確認、プロ(歯科医師か歯科衛生士さん)による清掃やケアが必要です。(ブリッジは清掃性や材質の問題によっては虫歯や歯周病のリスク、インプラントは感染すると自分の歯では無いので免疫機能が劣るためインプラント周囲粘膜炎や周囲炎のリスクがあるため)

わかりにくい文章になってしまいましたが

実際はお口の中の状態によってブリッジでも良いのか、インプラントの方が良いのか、もしかしたらどちらも良くなくて入れ歯を選択した方が良いこともあります。

また歯科医師側がこの治療方法が良いと思っても、患者さん側の治療費や治療期間などの問題で選択できないこともあります。

なので、リスクなど含めた説明をして納得して選んで頂くことが大切だと思っています。

歯が無い場合や、抜歯が必要な歯がある場合など、お困りなことがありましたらお気軽にご相談ください。

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