山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です。
今年の夏は暑い日が続いていて、9月も夏のようでしたが
10月に入って朝晩が涼しくなってきましたね(^ ^)
いきなり気温が下がると寒く感じることもあります。
さまざまな感染症が流行っているようなので、体調管理にはお気を付けください!!
今回は前歯の治療方法についてと
症例ページにもある前歯を2本治療した方の内容についても少し詳しく書いていきたいと思います。
前歯の治療の種類
治療が必要な範囲によっていくつか選択肢があります
大まかに分けて4種類を書いていきます
①:形などは治療する必要はないが、色が気になる→「ホワイトニング」による歯の色を改善
当院でのホワイトニング例(インターナルブリーチ):30代女性
②:小さな範囲〜中程度の治療→「コンポジットレジン」(白いプラスチックのような材料)で埋める治療
当院でのレジン修復例:40代男性
③:中程度〜やや大きめの範囲→「ラミネートベニア治療」(薄いセラミックなどを付け爪のように歯の表面に接着させる方法)
当院でのセラミックによるラミネートベニア修復例:30代女性
術前:矮小歯という小さな歯で他院で全体的に詰め物をされているが、歯がすり減って短くなっている状態
④:大きな範囲→「クラウン」(被せ物)歯を全体的に覆う治療
当院でのオールセラミック修復例(レイヤリング):50代女性
特殊な例でラミネートベニアを歯の表と裏に2枚貼る「サンドイッチベニア」という手法もあります。
以上が前歯に治療が必要な場合の主な治療方法と当院での実際に行った治療例になります( ^ω^ )
必要に応じて、これらの治療を組み合わせて行うこともあります。
例としたらホワイトニングをして歯の色を明るくしてからラミネートベニアやオールセラミッククラウンによる治療を行うなどがあります。
実際の前歯の治療の流れ
症例ページに載せているもので、そちらにも実際の流れを少し解説はしておりますが。
ブログの方でより詳しく実際の治療についてもう少し詳しく書いていきます。
治療前の状態
初診時:50代女性
口元を気にされておりましたが、診させて頂くと上の前歯2本に変色がありました
片方は神経がない歯で内部から黒ずんでおり、両方とも詰め物で修復されていますが材料が変色しています。
また、歯の傾きや擦り減りで歯の形も良いとは言えませんでした
治療開始
まずは神経がない歯の治療をしていきます
感染した歯質や、古い詰め物は汚染されているので除去して、隔壁と呼ばれる治療の準備をします
その際に、少しでも見た目の改善をしてからの方が患者さんにも喜んで貰えると思い
隔壁を作るレジンで歯の形態や色を可及的に改善させていきました。
神経がなくなって黒ずんでいたので、写真左の歯の歯茎に近い部分などはまだ暗い色ですが
上の初診時よりは色と形が変わって、これだけでも喜んで頂けました(^^)
根管治療後のファイバーコア
それから根管治療と呼ばれる、歯の内部の治療をしていき
根管治療が終わったら、ファイバーコアという治療で内部を補強していきました。
神経がない歯で、残った歯の部分が少ないのもあって、大きな範囲の治療となるのでこちらはクラウンという全体を被せる治療を選択
もう片方の右側は以前の治療範囲は小〜中程度でしたが、
歯の形態を変えたいのと、両方の歯の色を合わせていくためにラミネートベニア治療を計画しました。
こちらがファイバーコアを作製したのちに、歯の形態や歯茎の形を整えるための仮歯を入れるための形成です。
歯茎がやや黒く見えるのは圧排糸という歯茎を抑える糸を入れているためです。
仮歯装着
まだ圧排糸という糸を入れているので、歯茎が黒く見えますが
この糸で抑えつつ、削った部分と仮歯との境目をきっちり合わせていきます。
この段階が歯茎の状態を良くするのに大事なところで、著名な歯科医師たちが一番こだわる部分にもなります。
ラミネートベニア形成
ラミネートベニアは薄いセラミックを付け爪のように貼り付ける治療です。
そのため、必要がなければ歯を削らずに装着することもあるくらいです。
ラミネートベニアは薄いセラミックなので歯科技工士さんが作れる歯の色には限界があります。
なので、ラミネートベニアを付ける歯の色に大きく影響を受けてしまいます。
オールセラミッククラウンとラミネートベニア治療をする場合は、先にラミネートベニアを装着することが推奨されています。
これは先にラミネートベニア治療を終わらせて接着剤の色が落ち着いた段階で、歯科技工士さんが色を作りやすいクラウンの方でラミネートベニアの色に近づけたクラウンを作製してもらうためです。
今回は詰め物が入っていた部分があったり、ラミネートベニアで歯の形態を変えたいので僅かに表面を削っていますが
左のクラウンを予定している歯に比べて削る量が全然違うのがわかります。
もしかしたら、歯科関係者でなければ言われないと削ったかどうかもわからないかもしれませんね(^◇^;)
ラミネートベニア装着
右の歯にラミネートベニアを装着したところです🦷✨
右はかなり綺麗になって、人工的な歯とはわかりにくいくらいになりました
左はまだ仮歯なので色がよくないですが(・_・;
仮歯をしっかり合わせるので、歯茎の状態は良い感じです♪
ここから接着剤の色が馴染むのを待って、左の歯の治療をしていきます。
治療後:オールセラミッククラウン、ラミネートベニア装着後
左側にオールセラミッククラウン(レイヤリング)を装着しました。
先に右のラミネートベニアを作ってから、色を合わせていったので
良い感じに仕上がっています😆
術前、術後の比較
最初と最後を比べたら全く違いますね😲
これだけ前歯が変わると、口元とお顔の印象は全く変わりますね
患者さんからも「お気に入りの歯になった♪」と喜んで頂けました
治療費と内訳について
ファイバーコア:¥16,500×1歯
仮歯:¥3,300×2歯
ラミネートベニア(レイヤリング):¥143,000
オールセラミッククラウン(レイヤリング):¥143,000
計:309,100円(自由診療分のみの税込金額。ただし、治療当時の治療価格なので参考程度にお考えください)
今後のリスクと対応法について
神経のない左の歯について、稀ですが歯根破折のリスクがあります。
→日常生活で硬い過ぎるものを噛まないように注意したり、噛み合わせが強く当たるようになれば噛み合わせの調整をします。
神経のある右の歯について、今回はラミネートベニアの形成なのでわずかにしか削っておらず、歯髄炎などを起こすリスクは低いですが可能性がゼロではありません。
→染みる症状や下の歯と強く当たるなどの症状があれば、噛み合わせを調整します。
硬すぎるものを噛んだり、強い外力が加わると稀にオールセラミッククラウン、ラミネートベニアが割れたり欠けることがあります。
→自分の歯でも欠けたり割れたりするので、普段の日常生活から気をつけてください。
現在の接着剤では可能性は低いですが、劣化するとオールセラミッククラウン、ラミネートベニアが脱離してくることがあります。
→外れても問題なければ再装着できます。
歯軋りや、前歯で硬いものを強く噛む方、歯を当てる癖がある方は表面が削れてガサガサしてくると舌や唇を傷つけたり、噛み合う歯をすり減らすことがあります。
→必要に応じて表面を調整したり、研磨します
今回の治療とは関係ないですが、奥歯がしっかり噛む力を受け止める役割を果たさないと前歯が強く当たってきて壊れてしまいます。
治療した前歯だけでなく、お口全体の歯周病予防と虫歯予防をして奥歯を含めたお口全体の健康を保たないとどこを治療しても最終的に悪くなってしまうので。。。
定期的なメインテナンスが必要です(当院で治療された方で、定期メインテナンスに通院して頂ける場合などいくつかの条件に合えば医院独自の補綴物補償制度を制度を設けています。)
最後に
前歯は顔の印象を変えますし
口元にコンプレックスのある方は、歯を見せて笑うことができず
口元を隠して笑う方は多いと思います。
これは、マナーとして口元を見せないことが良いとされる日本の文化もありますが
ハリウッドスマイルに代表される、時には口元を隠さずに思いっきり笑えることも大切ではないかと思います。
上の治療をされた方はみなさん術前より歯が綺麗になって、歯を見せて笑えると喜んで頂けました(^ ^)
当院では審美的な歯科治療を望まれる方に出来るだけご満足頂けるように日々研鑽を積んでおります。
国内だけでなく時には海外で著名な先生方に教わり、都会や遠方に行かずとも審美的な歯科治療を気軽に受けて頂けるように努力しております。
前歯でお困りの方はお気軽にご相談ください!