山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です。
ホームページが新しくなって、大きく変わりました(^ ^)
皆さんの知りたい情報などを少しでもわかりやすく載せることができて、治療を受ける際の参考になれば良いと思っています。
ただ、頻回にホームページを大きく変えることはできないので、詳しい情報や新しい治療・機材などはこちらのブログでお伝えしていきたいと思います。
今回は地味な治療ですが、とても大切な治療である根管治療に使う新しい機材を導入したので
根管治療とその説明について書きたいと思います(以前にも根管治療の説明はありますので、気になる方は参考にされてください)
目次
根管治療とは?
虫歯などで痛みが強くて神経を残せない場合や、以前にかかっていた歯医者さんで神経を取り除かれて歯の内部に詰め物をされた歯などの再治療のことを言います。
大まかに分けると、初めて歯の根の中を触る治療か、すでに治療をされている歯の根の中を触る治療かに分かれます。
初めて根管治療治療する場合は適切な治療をすると90%以上の成功率と言われていますが
日本では保険診療での根管治療の費用が他国に比べて異常に低いため時間や材料に費用をかけることができないせいか、成功率はかなり悪いと言われています。
ニッケルチタンファイル
最近、保険診療でも認められるようになったニッケルチタンファイルという材料があります。
それともう一つ、従来から使われるステンレスファイルというものがあります。
上の写真がステンレスファイルです。
ステンレスでできているので固く曲がりにくい材料で、主に手で使うようになっています。
なので持ちやすいように少し凸凹を付けたプラスチックが付いています。
(当院には、このステンレスファイルを付けて上下運動させる器具と、回転を加えて動かす器具の2つがあります( ^ω^ ))
この上の写真がニッケルチタンファイルです。
こちらは機械に付けて使う前提なので、指で持つところがありません。
代わりに凹みがあって、その部分を機械につけるようになっています。
こちらはかなり曲げても折れにくく、歯の曲がった根の内部の形に沿って使用することができます。
ただ、金属疲労などでステンレスファイルよりも折れやすいことがあるため注意が必要です
(ステンレスファイルでも折れてしまうことがあります)
X-Smart Pro+(エックススマートプロプラス)
今回導入したこちらの機械
これは上記のニッケルチタンファイルを使用するための専用の機械になります。
根っこの先まで掃除するために、どのあたりまで到達しているかを電気的に調べながら使用することが可能で
根の先に近づいたら逆回転がかかってそれ以上先を傷つけないようになる機能もあるようです。
当院では、開業時からこちらの前の機械である「エックススマートプラス」というものを導入してずっと使用しており
今でも全く問題はなく、現役で使用できます。
また、スックスマートプラス以外にも当院にはコンパクトでコードレスな「トライオートZX2」という機種もあります。
こちらは予備的な使い方をしていますが、お口の小さな方などに使いやすいので
今までの機械と今回の新しい機械と、用途に応じて使い分けを考えていきたいと思っています。
当院の根管治療
当院では患者さんのためになること、診療が効率よく上手くいくようになること
などを考えられる機材やシステムなどは、積極的に導入、投資をしております。
根管治療は小さな歯の中の内部の治療になるので、できるだけ歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した治療をしています。
現在では、奥歯の大臼歯でCT撮影を行うことなど様々な条件はありますが、保険診療の中でも一部はマイクロスコープを使用することが認められています。
当院では保険診療でもできるだけマイクロスコープを使用していますが、材料などは保険適応のものを使用する必要があるので制限があります。
より材料や治療方法にこだわった治療をされたい方に向けて自由診療による精密根管治療もやっております。
また、もっとこだわる方には、県外などにはなりますが根管治療専門医を紹介させて頂くことも可能です。
実際にあった難症例
実際に、他院で治療されて痛みが取れないままで、困った先生から当院を紹介受診された患者さんがおられ
患者さんのご希望で当院で保険内での根管治療をしましたが、保険内診療の制限はありますが自分の力不足で多少の改善はありつつも症状が残ったままだったので
最後の希望としてセミナーでたまたま知り合った根管治療専門医院さんに紹介させて頂いたことがありました。
連携治療の考え
上記のように当院だけでは難しい治療の場合は、ご説明の上ご希望があれば他の専門医の先生方と連携して治療をさせて頂くこともあります(費用は自由診療のみで各先生の設定された料金になるので、紹介先の先生とご相談いただくことになります)
当院での治療で痛みが出たわけではありませんしできる治療に限りがあったとはいえ、症状が改善できなかったことに対して上記の患者さんには本当に申し訳ない気持ちで。。。
できるだけ自院で対応できるよう、設備だけでなく、技術や知識も常に研鑽せねばと改めて感じましたが
やはり人の身体を相手にする医療という分野は、自分一人では全てを治療することはできないので
矯正治療や高度な設備や技術が必要な外科手術、痛みの原因がわからないような状態など
専門の先生方と連携して治療を行う必要はどうしても出てきますので
研修会や学会などでの先生方との交流も大切だなということも改めて考えさせられました。
根管治療の重要性
根管治療は難しい治療で
海外での治療費はものすごく高額ですし
日本の保険診療をされていない自由診療専門の根管治療専門医の先生方の治療費も海外と同じくらい高額です。
日本の保険診療は費用を抑えられながら、ある程度の治療水準にはなっていますが
海外の方々からするとあり得ないような治療費なので
どうしても時間や材料費などの問題が出てしまいます…
当院では保険診療の中でもできる限りしっかりした治療を心がけております。
また、通常の保険診療での根管治療にかけられる時間よりはできるだけ治療時間を確保できるよう工夫しておりますが
予約に遅れて来られると治療時間は短くなりますし
キャンセルされると他の患者さんの時間をなくして同じ診療時間を何度もとるわけにはいかなくなることもあります。
痛みがなくなったからと治療を中断せず、予約通りに通院頂くようにお願い致します。
また、自由診療による精密根管治療についてですが
保険診療より診療時間を長くとり、マイクロスコープはもちろん、ラバーダムと呼ばれる防湿処理をしたり
保険適応外の材料などを使用したりするなども可能です。
いくら綺麗なセラミックの被せ物を入れても
歯の中が感染していて、根の先に病気ができてしまったら歯茎が腫れてきたり
結局外して再治療になってやりかえが必要になってしまいます。
見えない部分の治療ですが、本当に大切な治療です。
本当に大切なこと
一番良いのは根管治療をしないことなので
できるだけ虫歯は小さなうちに発見して神経を残せるようにすることが大切です。
また、痛みがあったとしても軽度であれば神経を温存するための薬などもあります。
これも保険適応外の材料などもあって、全てを保険診療ではできなかったりするので
自由診療でしかできない治療方法もあります。
また、神経を残そうと治療をした後にしばらくして神経がダメになって根管治療が必要になる事もあります。
当院は神経をできるだけ残すようにしており、自院で抜髄と呼ばれる神経を取る処置はほとんどなく
調べたら昨年1年間で10歯以下でした(^◇^;)
当院はできるだけ丁寧な治療を心がけている医院で
患者さんが多すぎたり予約を詰めてはいないので、比較的患者さんが少なめの医院のせいかもしれませんが(・_・;
普通の患者さんが多い歯科医院だと、1週間で10歯は抜髄されているのは普通かもしれません…。
このような事もあり、当院での根管治療はほとんどが以前の歯医者さんでされた根管治療の再治療ばかりですが
神経の温存や根管治療について何かありましたらお気軽にご相談ください