山口県宇部市の歯科医院「歯科・沖田オフィス」院長の沖田です。
今回は矯正治療でも一般的になってきたinvisalign(インビザライン)を代表とする
マウスピース矯正について書きたいと思います。
目次
マウスピース矯正とは?
透明の薄いマウスピースを装着して歯を動かしていく矯正になります。
木目の棚の上に置いて写真撮影しましたが、木目が透けて見えています。
これくらい薄くて透明なので、従来の金属の装置やワイヤーより目立たずに治療ができます😊
なので、芸能人の方やアナウンサーの方などで治療されている方も多く
テレビでお口の拡大写真をよくよく見ると、矯正治療をしているのが見えたりすることも??😲
この矯正治療は呼び名がさまざまあり、マウスピース矯正やアライナー矯正などと呼ばれます。
有名なインビザラインというのは商品名のようなものなので、一般的な治療名ではありません。
今は様々な会社が参入しており、インビザライン以外にもたくさんの商品があります。
また、価格も低価格なものから、高価格なものまであります。
例としたらインプラントのような感じで
インプラント治療の中に、沢山のメーカーさんあって(有名なとこだとストローマンやノーベルバイオケア等)
また、その会社の中でまた取り扱っている商品名がいくつかあって
ノーベルバイオケアさんだとブローネマルクシステム、リプレイス、ノーベルアクティブ等々…
1つの会社でいくつも種類があるので、インプラントの種類は膨大な数になります。
マウスピース矯正も同じような感じで、会社があって、その中にいくつか種類があることになります。
当院のマウスピース矯正治療を行う際の考え
当院は矯正歯科専門ではないので、難易度の高いマウスピース矯正はしておりません。
マウスピース矯正自体が新しい治療方法となるので、まだまだ発展途上で
複雑な矯正治療に関しては注意が必要と言われています。
当院が考える難易度の高いものとしては
・骨格的な問題のある矯正
・抜歯を伴う大掛かりな移動
等があります。
そういった方は、ワイヤー矯正や外科矯正(顎の骨を切って移動させる矯正)の適応となることがあるので専門医の受診をお勧めしています。
当院で矯正治療を行う際のメリットとしては、被せ物や噛み合わせを考えた総合的な治療を行えることです。
子供さんの矯正であれば、生えたての綺麗な形の歯が成長もあって
歯の位置を変えるだけで自然に噛んでくることがありますが。
一方で、大人の方の場合は悪い噛み合わせに合わせた被せ物がすでに入っていたり、歯がすり減っていたり
そのような場合は、矯正治療で歯の位置を変えてもしっかり噛み合わないことがあります。
当院であれば矯正治療後にもう一度噛み合わせの診査診断をして
必要に応じて被せ物や詰め物を含めた噛み合わせの調整を行うことができます。
ただ、先ほどの難易度が高い複雑な治療が必要な場合は、矯正歯科の先生と連携することもあり
矯正歯科での矯正治療後に、当院で噛み合わせの診断をして治療を行うことも可能です。
ただし、矯正の先生と最初から連携をしていたら上記が可能ですが、
どこかで矯正歯科治療だけをして、その後を診て欲しいと言われた場合は、
当院が考える歯の位置や方向とズレがあって、噛み合わせの調整や被せ物などの治療が困難と判断としたら
再度矯正歯科に戻って頂き矯正治療をしてもらうか、当院での治療をお断りさせて頂くこともあります(・_・;
当院のマウスピース矯正の方法や種類
当院のマウスピース矯正を行う際、どの歯まで矯正を行うかで2つに分かれます。
・奥歯にあまり問題がなく、主に前歯を中心に歯を動かす矯正治療をする場合
・奥歯も前歯も全体的に動かす矯正治療をする場合
の2つがあり、それぞれで費用がかわります。
前歯中心か、奥歯も含めて全体的な矯正治療か、その中で今度はどの会社さんの装置を使うかを検討します。
当院では主にインビザライン、シュアスマイル、クリアコレクトの3種から選択しております。
これらは会社さんによっては、マウスピースを清潔に使うための洗浄剤が付いて来たり
振動させて歯にマウスピースがしっかりはまるようにして早く歯が動くようにする装置(この装置は買うと数万円はします(・_・;))が無料で付いて来たり
付属品以外では、口腔内スキャナーを用いたり、歯科用CTと連動できたり
他にも、マウスピース自体の硬さなどの違いがあったり
各会社さんで様々な違いがあります。
当院でのマウスピース矯正の流れ
- まずはお口の中の状態を確認します。
虫歯や歯周病の状態、歯並びの状態、必要に応じて顔貌や口腔内の写真、レントゲン等々の資料をとり
当院で治療ができる範囲か、矯正歯科の先生と連携をした方が良いのかを検討します。
矯正歯科での治療となったら、治療方法や価格などはその矯正歯科さんと相談して頂くことになります。
- 当院での矯正治療となった場合の追加資料
口腔内スキャナーもしくは型取りをして口腔内の状態を記録
顔貌や口腔内の写真撮影
必要に応じて歯を動かせる骨の幅を調べるためにCT撮影をします(CTデータと連動できるシステムの場合)
- ・とらせて頂いた各データを転送して、デジタル上で治療計画を立案
パソコン上でどう歯を動かすかシミュレーションしていきます。
当院だけで決めるのではなく、パソコンの画面を患者さんにも見て頂き
ご希望などに応じて歯の位置を考えて修正をします。
ご相談の上、最終的な歯並びの状態が決まったら、マウスピースを発注します。
- マウスピースが送られてきたら、口腔内にセットしていきます。
その際に歯を動かすスペースを作るために、コンマ何ミリか歯を細くしたり
アタッチメントと呼ばれる、詰め物で突起を作ってマウスピースの力がよりかかるようすることがあります。
歯の表面に突起が見えますが
このアタッチメントと呼ばれる突起を付けてマウスピースの力がかかるようにします。
歯を細くしたり、このアタッチメントを付けるタイミングは治療計画によって変わります。
- 実際の装着について
院内でお口の中にマウスピースをはめる練習をします。
最初は慣れるまで時間がかかったり
歯に力がかかるようになっているので、きつい感じがします😅
だんだん慣れてきますが、1週間前後で交換していくので
交換するたびにまた新しいマウスピースになるのできつい感じがします。
- 装着時間、清掃方法、注意点など
装着は食事や歯磨きの時間以外は基本装着して頂きます。
メーカーさんの推奨は1日20〜22時間以上装着です
そうしないと効果が出なくて歯が動いてくれません💧
従来のワイヤー矯正治療は、装置をつけたら外せないので24時間ずっと歯に動かす力がかかります。
それと同じ効果を出そうとするなら、やはり長い時間装着が必須になります!
外して歯磨きなどはできますが、マウスピースの特性上中に汚れが溜まりやすいので
お茶やお水以外に、砂糖の入ったジュースなどをつけたまま飲んでしますと
虫歯になりやすいので注意が必要です(・_・;
洗浄は交換頻度にもよりますが水洗いなどでも大丈夫ですが
気になる方は市販のマウスピースや義歯用の洗浄剤などもありますし
メーカーさんによっては洗浄剤が付属されてくるので、それを使って頂きます。
歯のお手入れは、ワイヤーと違って外せるので
外して通常通りの歯磨きが可能です!
また、透明で薄くてもどうしても外さないといけない用事などがある場合は
その時だけ外して頂き、その後また装着して頂くことも可能です。
痛みは、ワイヤー矯正をした方に聞くと、ワイヤーより違和感も痛みも少ないと言われます。
当院のスタッフにどちらも経験したスタッフもおりますので
何かあればお気軽にご相談ください。
実際の当院でのマウスピース矯正治療
- 40代女性で前歯が出ているとの主訴
完璧な位置ではありませんが、前歯の出具合は大幅な改善ができています🦷✨
患者さんから「このくらいなら気にならないし、早く矯正を終わりたい」
との話もあったので、これでマウスピース矯正は終わりにしました。
- 10代男性で全体的な歯並びが気になるとの主訴
「マウスピース矯正以外はしたくない」「当院(歯科・沖田オフィス)でなら矯正したい」
との患者さんの希望もあり、当院で治療をさせて頂きました。
まだ成長の可能性もある若い患者さんだったので、本来なら当院ではなく矯正医への紹介を考えたのですが
どうしてもワイヤーは嫌で、うちでの矯正を強く希望されたので
ご両親と相談して、当院のできる範囲で治療をさせて頂きました。
やはり若い方だとワイヤー矯正は見た目が気になってしまいますよね💦
上の術前術後を比べてわかるように、歯並びが大きく改善されました🦷✨
ここまで変わると口元に自信が持てるようになって
とても喜んで頂けました
どちらの方も半年以内で矯正が終わり
その後は保定と言われる、後戻りを防止するためのマウスピースを装着してもらっています。
矯正のメリット
歯並びが良くなることによってメリットはたくさんあります。
・清掃性の向上
→歯が重なっている部分には汚れが残りやすく、歯ブラシやフロスが入りにくいです。歯並びが良くなると汚れも残りにくくなり、さらに歯ブラシやフロスが届きやすくなります。
・噛み合わせや機能面の向上
→歯並びが悪いと噛んだ時に全体的に歯が当たらず、一部の歯だけに負担がかかります。噛み合わせが安定するとバランス良く噛めるようになり歯の負担や顎の負担(顎関節症のリスク)軽減につながります。
・見た目の改善
→歯並びや口元が気になって口元を隠して笑ったり話す方が日本人は特に多いと言われています。コンプレックスがなくなって口元に自信が出ると、海外の方のように口元を隠さずに話したり笑えるようになります。
・胃腸の改善
→噛み合わせが悪いと食べ物を噛み切ったりすり潰すことが難しく、食事に時間がかかったり食べ物を小さくできず大きな食塊で飲み込んでしまいます。歯並びや噛み合わせが改善すると効率良く食物を小さくできるので消化がしやすくなって胃腸の負担を減らすことができます。
・発音の改善
→歯の位置が悪いと発音に関係することがあります。歯並びが良くなることによって発音がよくなったり滑舌が良くなることがあります。
・全身の健康
→不安定な噛み合わせは身体のバランスを悪くすることがあります。噛み合わせの歪みが身体の歪みにつながったり、姿勢や肩こりなどに影響を与えることがあります。
・気道への影響
→狭い歯列は舌の置き場がなくなって舌が後方に下がってしまうことがあります。そうすると気道を圧迫するので酸素の取り込みがしにくくなることがあります。そうすると鼻呼吸ではなく口呼吸につながったり、寝ている時の睡眠時無呼吸症候群などにつながり高血圧などの全身疾患や体への負担が大きくなります。
連携治療について
当院は矯正専門ではありません。
そのため、必要があれば矯正歯科さんと連携して治療にあたります。
当院の考える噛み合わせと矯正歯科が考える噛み合わせにズレがあると治療結果に問題が出てしまう可能性があるので、治療内容によっては連携先が限られてしまうことがあります。
最後に
文章で書くと難しい面もありますし
歯並びは皆さんそれぞれ違いますので、実際に診察や診断をしてみないとわからないことも多いので
歯並びなどが気になっておられる方はお気軽にご相談ください🦷✨