よくある質問集
- Q.どうして虫歯になるのでしょうか?
- A.虫歯の原因はプラーク(歯垢)の中の細菌です。
我々が生きていくために食事などで摂取する炭水化物や糖分などの栄養源は口腔内の細菌にとっても栄養源となります。
細菌が糖類などを摂取すると酸を作り出し、その酸で歯の表面が少し溶けて歯が白く濁った状態が初期の虫歯です。
この段階で口の中の状態を改善できれば進行を止めたり元に戻る可能性もあります。
さらに歯が溶けて穴が空いてくると元には戻らないので治療が必要な虫歯になります。
虫歯の原因は細菌ですが、生活習慣のさまざまな要因で虫歯のなりやすさや進行スピードが違ってくるので、その要因を解決しながら治療をすることが大切です。
- Q.虫歯になりやすいのはなぜですか?
- A.糖分の摂取回数・時間は虫歯になりやすくなる原因の1つです。
それ以外に細菌が出す酸は唾液で中和されますが、お口の乾燥や唾液の質が悪いと酸性の状態が長くなるので虫歯になりやすくなります。
歯の質も重要で、表面の硬いエナメル質はフッ素やミネラルなどを取り込んで強くなりますが、子供の生えたばかりの歯やエナメル質形成不全と言われるエナメル質が弱い方などは虫歯になりやすいです。
エナメル質の厚みは個人差があり、薄い方は内部に進行しやすく象牙質と言われる部分は柔らかく酸で溶けやすいため一気に虫歯が進行します。
また、歯茎が下がって出てくる歯根部分も柔らかくて虫歯になりやすく進行も早いので注意が必要です。
- Q.虫歯を防ぐにはどうしたら良いですか?
- A.一番は歯ブラシで歯垢を落とすことが大切です。
電動ブラシはうまく使えば効率良く歯垢除去ができ、歯と歯の間はフロスや歯間ブラシが有効です。
エナメル質の強化にはフッ素入りの歯磨き粉やうがい薬が有効です。
フッ素が苦手な方は、歯と同じ成分が細かく入っていて修復作用がある歯磨き粉などを使用するとよいでしょう。
唾液の量を増やすのも汚れを洗い流したり、歯の修復につながります。
糖分などの摂取回数や時間が多いと虫歯になりやすいので、回数や時間の見直しをお勧めします。
虫歯は生活習慣で防ぐことが可能なので、規則正しい食事、間食は控える、食後や特に唾液が出なくなる睡眠前の歯磨きが大切です。
詳しい内容はスタッフや院長にご相談ください。
- Q.唾液を出す方法はありますか?
- A.唾液は、血圧のお薬などの副作用やストレスが原因で出にくくなります。
ストレス発散や、唾液腺と言われる唾液を作る部分を軽くマッサージしたり、口腔内を触って刺激を与えることによって唾液が出やすくなったり量が増えることがあります。
放射線治療や自己免疫疾患などで唾液腺が破壊されてしまった場合は、人工唾液のようなものでお口の中を潤すことがあります。
- Q.高齢ですがインプラント治療はできますか?
- A.年齢は特に関係ありません。
全身疾患の問題があったり、頭部の放射線治療後、内服薬や注射などお薬の影響で骨の治癒が悪い場合や血が止まりにくい場合などは施術できないことがあります。
その場合は医科のかかりつけの先生に確認をし、患者様にリスクの有無を説明し相談のうえで施術するかを決めることもあります。
健康な方でお薬などの問題もなければ、当院でも80歳を越えた方にインプラント治療を行った例は複数ありますのでご安心ください。
- Q.どうして歯周病になるのでしょうか?
- A.歯周病は細菌感染による感染症で、両親やパートナーなどから感染し、ほとんどの方のお口に歯周病菌がいます。
ただ、子供や若年者の方は歯肉炎になっても歯周病は発症しません(稀に若い方で特定の部位に歯周病を発症しますが、原因不明で細菌の質や遺伝的な要素が考えられます)。
中高齢くらいで7〜8割の方が歯周病と診断されますが、歯周病菌の増加、特定の悪い菌が増える歯周病菌の質の問題、その細菌に対する免疫応答で炎症が生じ歯周組織の破壊や歯の周囲の骨が溶けます。
その結果、歯茎が下がって歯が長くなったり、歯が動くようになり、最終的に歯が抜けてしまいます。
普段の歯磨きで歯垢を除去して細菌を減らすことが歯周病の予防につながります。
- Q.歯周病になりやすいのはどんな人ですか?
- A.多くの方が歯周病菌には感染していますが、若い方で発症することは稀です。
ある程度の年齢で発症しやすくなることから、年齢が上がるほど歯周病になりやすくなります。
歯周病菌が増えると歯周病が悪化しますので歯磨きがうまくできてない場合は歯周病になったり悪化するリスクがあります。
糖尿病や免疫不全などの全身的な病気、ステロイドなど免疫に作用する内服薬、ストレスや体調不良などによって免疫力が低下した場合などは、全体的に歯周病が悪化したり進行スピードが上がることがあります。
また、歯並びが悪く磨き残しの多い部位や、かみ合わせの力が強くかかると炎症が生じやすいので、そういった場所は局所的に歯周病が悪化しやすいです。
- Q.歯が割れた原因はなんですか?
- A.硬すぎる食べ物で歯が欠けたり割れることがあります。
歯軋りや食いしばり、歯を当てる癖などがある方は、噛むための筋力が強くなり歯に負担がかかって歯が割れることがあります。
また、片側ばかりでの食事や特定の歯だけ当たりやすい、入れ歯のバネがかかる歯なども負担が大きいため歯が割れることがあります。
その他に、虫歯などで神経をとってある歯は、その治療をするために歯が削られて薄くなっており、脆くなっていて割れやすいです。
特に神経のない歯に金属の土台を入れて被せ物をされている場合は、レジンやファイバーコアと言われる土台の作り方に比べて歯が割れやすいと言われているので、金属の土台が入っている方も注意が必要です。
(歯を当てる時間が長いと噛む力が上がったり、歯の負担が多く割れてしまうリスクが上がります。通常は15〜20分/日しか歯は当たらないと言われていますが、それ以上に歯を当ててしまっている方が増えています。
できるだけ歯を当てないように意識することも大切ですし。
夜間の歯軋り食いしばりはストレスと関係して増えるというデータがあるので、ストレスの少ない生活を心がけたりしましょう。
どうしても歯軋りや食いしばりが強い方や噛み締めるための筋肉の力が強い方はマウスピースで歯を保護したり、ボツリヌストキシン注射などで対応することがあります。)
- Q.抜歯した後はどういった治療がありますか?
- A.治療方法なので保険治療や保険外治療は問わずのお答えになりますが、基本的には5通りあると考えています。
・歯を抜いたままで何もしない
・入れ歯
・ブリッジ
・歯の移植や矯正治療
・インプラント
これらの治療は、それぞれにメリット、デメリットがあります。
詳しいことはこちらを参照していただいたり、お口の中の状況でどういった治療が可能かも変わってくるので、自分のお口の中の状況など含めて詳しくお聞きしたい場合は、当院に受診された際にご相談ください。
- 1:抜いたままで何もしない
- 治療と言えるかわかりませんが、隣の歯や噛み合う歯がなければ抜いてそのままで良いこともありますが、お口の中の状態によって隣の歯が歯が倒れてきたり、噛み合う反対の歯が伸びてきたりすることがあるので条件次第と考えます。
噛み合う歯がなく伸びてくる可能性がある歯も、条件が悪化すれば抜く必要が出ることがあるので、必要に応じて隣の歯と固定をしたり、マウスピースなどを入れて少しでも歯が動かないようにするなど、当院では患者様のご希望で抜いた後にそのままにしておく選択をされてもできる限りの対策は考えてお伝えしております。
- 2:入れ歯
- 取り外しのできる入れ歯を入れて抜いた歯の部分を補います。
ただ、取り外しが可能であると言うことはお口の中で動くと言うことでもあり、硬いものが食べにくかったり食べ物が入るなど、噛む能力は自分の歯に比べて1/10程度に落ちるとも言われています。
その他に、口の中に大きな異物を入れて食事するので違和感があったり、発音がしにくいなど個人差はありますがどうしても慣れない方もおられます。
歯を多く削りませんが、バネをかける歯にはレストと言われる入れ歯が沈み込んで歯茎を傷つけるのを少しでも防ぐ装置を取り付けるために少し歯を削る必要があったり(入れ歯の沈み込みを防ぐためと入れ歯を少しでも安定させるために必要があれば歯を大きく削って入れ歯がはまるような被せ物を入れて入れ歯を安定させることもあります)
、バネがかかる歯は清掃しにくくなったり負担が増えることから虫歯や歯周病のリスクが上がる、多くの歯を削らずに済む、修理が簡単、他に長期的な予後が悪そうな歯があればできるだけ歯を保存しながら抜く必要が出た時に抜いて徐々に入れ歯を大きくできるなどのメリットがあります。
- 3:ブリッジ
- 抜いた歯の両隣の歯などが健康な場合、ブリッジと言われる橋をかけるように被せ物を入れる治療です。
特殊な方法として抜いた歯の大きさや部位によっては大きく削らずに接着剤の力に頼るような接着ブリッジというやり方が可能な時もありますが。
多くは隣の歯が健康で削ってない歯であった場合は、その歯を多く削る必要が出るので歯にダメージを与えてしまい歯が染みたり状況によっては神経の保存ができなくなる可能性がある、失った歯の負担を残ったブリッジをかける歯に負わせるので負担が増えて破折の可能性が増える、繋げて作るので掃除がしにくく歯周病や虫歯のリスクが上がる、保険内での治療の場合はつなぐ歯の本数などが決められているので適応外となったり、隣の歯だけでなく追加で歯を削る必要が出ることがある、などのデメリットがあります。
メリットとしては、固定式で外さない(特殊なやり方で取り外しタイプのブリッジのようなやり方もありますが)ので違和感が少なく、自分の歯で噛むので噛み心地が良いという点があります。
ちなみに、神経のある歯を繋いだブリッジは虫歯や歯周病のケアをしていけば比較的安定しますが、神経のない歯のブリッジは長期的に破折などのトラブルが多いと言われています。
- 4:移植や矯正
- 必要ない歯があり、抜く歯と同じ大きさくらいであれば抜いた歯の場所の骨を削って必要な歯を移植すると言う方法があります。
また、条件次第で隣の歯などを抜いた歯の位置に移動させて補う矯正治療があります。
どちらも歯の形や抜きやすさや移動のしやすさなど、治療の可否は条件次第ではあります。技術的に難しい部分があり移植は上手く行かなければ歯を2本抜いたことになったり、歯を抜くので神経は残せないことが多い、骨を削る必要が出ることが多いので移植が失敗すると抜歯前より骨を失ってしまう可能性がある、移植後の歯が骨とくっついて骨癒着を起こしたり歯の根が吸収していくことなどがあります。
矯正の場合は必ず歯が思ったように動くわけではないので、思ったように歯が動かない場合は長期間矯正をしたにも関わらずお口の中の状態が変わず無駄な時間と費用がかかってしまう、矯正力によって歯根が吸収して短くなったり神経がダメになって根管治療が必要になる可能性がある、などのデメリットがあります。
メリットとしては必要ない歯がいかせたり、全て免疫力のある自分の歯で治療を終えられる、矯正治療での移動であれば神経を保存したまま治療できる可能性があります。
- 5:インプラント
- 上記の治療に比べて比較的新しい治療ですが、歯を抜いた場所にフィクスチャーと言われる、チタンやチタン合金などで作られたネジのような形をしたものを骨に埋めて歯を作ります。
単独で歯を作ったり、少ない本数でブリッジのような歯を作って固定したり、入れ歯の支えに使って入れ歯を小さくしながら動きにくいようにしたりなど様々な用途に用います。
デメリットとして、外科的な治療であり必要であれば外科的な治療が複数回になること、フィクスチャーと骨がくっつくのに時間がかかること、骨や歯茎の条件が悪ければ改善させる処置が必要になったり治療期間が延長することがある、感染に対しての防御機構がないため感染を起こしてインプラント周囲園と呼ばれる歯周病のような状態になってしまうと治癒しにくい、自分の歯は少しずつ移動をするがインプラントは基本的には動かないため隣の歯との間に隙間ができることがあり何かしらの方法で隙間を埋める必要が出ることがある、しっかり噛めるようになるので良いことなのですが噛めすぎて噛む力が上がってしまい残った歯や顎への負担が増えたりすることがある、などのデメリットがあります。
ただ、メリットも多く、隣の歯を削ったりせずに済む、しっかり噛めるので他の歯に負担をかけることが少なく基本的には自分の歯を守ることにつながる、単独で歯を作ったり入れ歯を小さくしたりできて違和感が少ない、などのメリットがあります。
海外では抜いた歯の後に行う治療や、総入れ歯の方の入れ歯の安定にインプラントを用いた入れ歯が第一選択で推奨されていたりもします。
当院では、自分の歯でしっかり噛めるのが一番良いと考えているので、できるだけ歯を抜かなくて済むように力を尽くしています。
どうしても歯を抜く必要が出たとしてもお口の中の状態や患者様の背景など考えて治療方法を一緒に考えて行きますので、疑問などがあればお気軽にお問い合わせください。
- Q.歯がしみるのはなぜですか?
- A.さまざまな原因が考えられ、1つだけでなく複数が合わさって生じることもあります。
虫歯によるもの
歯が溶けたりすり減ってエナメル質がなくなった場合
噛む力が強かったり、異常な歯軋りや食いしばりなどで歯の負担が大きい場合
歯茎が薄くて下がりやすく歯根部分が出た場合
歯ブラシが硬すぎたり、研磨材の多い歯磨き粉の使用、歯を磨く時の力が強い方(歯茎が傷ついたりして歯根部分がでたり、歯根部分は柔らかいので削れてしまったりして染みやすくなることがあります。)
歯が欠けたりヒビが入っている方
などが考えられます。
神経のある歯は多かれ少なかれ多少染みたりすることがありますが日常生活で困るほど染みる場合はご相談ください。
- Q.インプラントは一生持ちますか?
- A.結論からいうと一生持つとは言えません。
40年以上の長期の記録は多数あるので、歯科医院側はできるだけ長く持たせられるようにしたいと考えております。
昔はインプラントをしたら何もせずに一生持つと言われていた先生もおられたようですが、現在ではできるだけ長く持たせるために定期的なメインテナンスで噛み合わせのチェックやインプラント周囲炎を予防するための清掃、歯軋りや食いしばりの強い方は必要に応じてマウスピースの使用や調整をします。
トラブルとしては、骨の中に入ったフィクスチャーと呼ばれる本体部分は噛む力が強すぎたり顎を強く打つような事故などで折れる可能性があります。
その他、口腔内を清潔に保っておかないと歯周病のようにインプラントの周りが感染を起こして炎症を生じ、腫れたり膿が出たりインプラントの周りの骨が吸収してしまうインプラント周囲炎というを起こす可能性があります。
インプラントは本体のフィクスチャーと土台や被せ物を止めているネジが緩んだり折れる可能性(本体を守るためにネジが緩んだり折れたりするように考えられています。その場合は締め直したり新しいネジに交換します)
動いていく歯に対して動かないインプラントで唯一交換しやすい本体の上の被せ物は、お口の変化の状況に合わせて交換が必要になる可能性があります。
当院ではインプラント治療をされる方に
フィクスチャーはできるだけ長く、できたら一生持たせたいと考えていますがそれ以外は消耗品として交換などが必要になる可能性もあります。
とお伝えしています。
- Q.なぜ歯科は自由診療(保険外治療や自費治療)が高いのでしょうか?
- A.日本では保険診療でかなり費用を抑えて治療ができていますが、これは数十年も保険治療費の価格が変わっていないためです。(物価が上がっても保険診療の費用ははほとんど変わっていません。)
虫歯の治療は海外で同じ治療を受けようと思ったら10倍近い値段になることも普通です。
そのため留学されている方がわざわざ飛行機代を支払っても日本に戻ってきて治療される方もおられます(当院でもそのような方が複数おられました。)
そのため日本の保険治療が異常に安いだけで、自由診療は本来の治療費となるため費用が高く感じてしまいますが、医療側からすると海外と同じ水準の治療費ということになります。
(元々、まだ歯医者さんが少ない時代に虫歯の洪水と言われた沢山の患者様が虫歯だらけで沢山歯医者さんに集まった頃がありますが、その頃は沢山患者様がきて治療精度より数を沢山こなしていたので費用が安くても良かったのかもしれませんが。
その時代の後始末で現在はやり直しの治療が多いです。(簡単に神経をとってしまって割れやすい歯になっていたり、時間がかけられずに雑な治療になっていたり)その時代にやれることは限られていたのでその時代の治療を否定する気は全くありませんが今は様々な治療法を簡単に見つけられる時代で、安く早く痛みを取るより丁寧に槍なしの少ない治療へとニーズが変わってきて、しっかり精度の高い治療が必要になってきています。
そうなると保険診療だけでは全ての治療はしたくてもできないのが現実です。
保険診療は国が決めて費用を抑え続けています。
この世界中が繋がっている現代で、日本の保険診療と関係のない世界中の会社や歯科医師が新しい材料や治療法を開発して高い費用で提供しています。
そのような会社や治療法をわざわざ日本の安い保険治療に合わせた価格にはなりませんし、赤字覚悟で採用を望むこともありません。
なので、日本でも保険外治療は良い材料海外と同じような価格になってしまうので、安すぎる保険治療と比べてものすごく高い印象になってしまうのだと思います。)
- Q.根の治療ではどんなことをしますか?
- A.根の治療は2つに分かれます。
- 1:抜髄
- 虫歯が深い場合や痛みが強い場合など、神経を取る時に行う治療です。
内部の感染が無いもしくは少ないため、神経を取り残さないように根の中をファイルやエキスカと言われる器具で掃除をして薬剤で消毒をしたら早めに根の中を埋めます。
- 2:感染根管治療
- すでに根の中が感染している状態の治療です。
内部は感染しているので、虫歯を除去した後にファイルやエキスカと言われる器具でできるだけ感染源を除去したり根の中の古い詰め物を除去して薬剤で消毒をします。綺麗になった段階で根の中を埋めます。
このように根の治療は感染のある無しで違いがあり、感染が少ない方が治療が早く進むことが多いです。
- 詳しくはこちら
- まずはできるだけ神経を残すために、神経が出た場所を薬剤などで消毒をしたりして保存する方法や、一部の神経を除去してその下の神経を残すように治療する場合がありますが、当院ではまずはこの2つの治療方法を第一選択して神経を残すことを考えます。
どうしても神経が残せない場合、この時は直前まで神経が生きているので内部の感染は少ない状態ですので、まずは麻酔をして痛みをなくし虫歯をしっかり除去したのちに、必要に応じて隔壁と呼ばれる虫歯で失った歯の代わりにレジンという材料で補い、唾液が入りにくい状態を作ります。
(隔壁は唾液と共に入ってくる細菌の侵入を防ぐ感染対策や薬の漏れを減らすために欠かせない方法だと考えております。)
その後に神経を除去して内部を様々な道具、薬剤を使用して綺麗にして行きます。
綺麗になったらできるだけ早めに歯根の内部をゴムなどで埋め、その後に硬い詰め物などで細菌が入ってこないように土台を作ったり封鎖し、虫歯の大きさや歯の種類などを考え必要に応じて被せ物を作ります。
感染根管治療という、以前神経を取られて上記のような治療をしてもらった後で、内部に細菌が入って根の先に炎症が起っている場合の再治療を行う必要があります。
この時はすでに歯の内部が感染をしている状態なので、以前治療されている被せ物や土台、細菌が入ってくると虫歯になっているので、その感染源をしっかり除去して、同じく隔壁を作製します。
その後に、内部に詰めてあるゴムを除去していきます。これがなかなか取れないのですが、このゴムに細菌がいて感染源になっていることも多いので様々な器具を使って可能な限り除去し、薬剤で消毒して細菌を減らしていきます。
(今の現在の技術や薬では歯の内部の細菌を全てなくすことは無理なので、体が治せたり抑え込める程度まで極力細菌の数を減らすようなイメージです)
膿などが出ることもなく、痛みもなくて内部が綺麗になったところでしっかり内部を埋めて、抜髄の時と同じようにできるだけ細菌が入ってこないようにしっかり埋めて土台を作り被せていきます。
- Q.歯が痛い時は神経を取ったほうが良いのか、神経は残したほうが良いのか、どちらでしょうか?
- A.痛みの程度にもよりますが、歯の内部を埋めている神経や血管は残した方が歯が長持ちしやすいです。
なので当院では可能な限り神経の保存に努めています。
ただ、我慢できないような痛みや、触れるだけで激痛を生じるなど日常生活に大きな問題を生じている場合などは神経を取ることがあります。
痛みや知覚過敏などの症状は虫歯や歯への負担などの異常を伝えてくれているので、神経を取って痛みを感じにくくなると、歯が割れるなど大きな問題が出ないと気付きにくくなってしまうので注意が必要と考えています。
詳しくはこちら
神経と一緒に血管もあるのですが、多少細菌が入ってきても防御機構が働くと考えますし、神経があると痛みを感じるので虫歯やかみ合わせの負担などが増えてくると痛みや違和感として伝達をしてくれます。
神経や血管がないと、生体の防御機構が弱く隙間ができ内部に細菌が侵入すると感染しやすかったり、痛みがないと虫歯や負担がかかっていることが分からずに感染して根の先が炎症を起こして痛みや腫れが出るまで気付きにくかったり、歯にヒビが入ったり割れた後に周りが腫れたり痛みが出て気がつくような状況になりやすいです。
かなり悪化した状態で気付いても保存が難しく抜歯になってしまうこともあります。
何もしていなくてもズキズキ痛んで我慢できないような痛みであったり、実際に麻酔をして虫歯を除去していき神経が出てきたところで薬などで止血を使用と思っても神経の炎症が強く出血が止まらない場合などは保存が難しく、神経を取る処置になることが多いです。
また、神経を一部除去したり、露出してしまった神経の表面を保護して保存をしても、すでに感染していた場合はしばらくして神経が死んでしまうこともあります。
保護する薬の種類や感染させないための処置の仕方によっては保険診療内でできないこともありますのでご注意ください。
- Q.被せ物にはどんな種類がありますか?
- A.(写真など補綴説明用のものを載せる)
保険診療と自由診療(保険外診療、自費診療)で大きく別れます。
保険診療には銀歯と呼ばれる金属冠(金属でも数種類あり)、金属の表面にレジンと言われる白い詰め物を貼る前装冠、金属を使わない白い被せ物のCADCAM冠があります。それぞれ適応できる部位や条件があるので、詳しくは治療の際にご説明します。
自由診療は、材料が自由で様々な種類がありますが、代表的なのはゴールドを使用した金歯、セラミック冠(ジルコニアや2ケイ酸リチウム、長石など数種類あり)があります。他にも金属にセラミックなどを盛る方法もありますが今はあまり使いません。
セラミックも様々な材料と作り方があるので、詳しいことはお問い合わせください。
詳しくはこちら
今は保険の治療でもさまざまな種類があります。
保険治療は治療の基準や材料が決められているので、それに従う必要があるので基準を含めて細かく全てを文章にするのは難しいのですが、前歯であれば、昔からある前装冠と言われる金属の表面に白いレジンという材料を貼り付ける治療(金属も数種類あり、昔からある金属とR4年4月から金属アレルギーの方はチタンも使用できることに)とCADCAM冠と呼ばれるレジン(白いプラスチックのような材料)で作られた金属を使用しないものがあります。
奥歯では小臼歯と言われる部位は今までの表面に白いレジンが貼れない金属のみの被せ物と、前歯と同じですが材料を少し硬くしたCADCAM冠があります。
大臼歯と呼ばれる奥歯も、金属の冠の場合は表面にレジンは貼れず金属のみの歯で今までの金属とチタンの2種類があります。
奥歯の場合は全て歯が揃っておられる場合は7番目の第二大臼歯と呼ばれる歯が存在してしっかりしている場合は、その手前の6番目の歯には小臼歯で用いるものよりさらに硬さを増したCADCAM冠をかぶせることができます。
通常の金属は壊れにくいですが、金属アレルギーの原因になったり見た目が悪かったり熱を伝えやすいので染みやすいので神経がある歯で染みやすい場合は使いにくい。
チタンはアレルギーが少なく軽くて丈夫で熱も伝えにくいですが、かなり硬いので何か問題が起こった時に外して再治療が難しくなることがあります。
レジンを用いた前装冠は、金属を用いるので金属アレルギーの原因になったり、歯茎との境目が影になって黒くなりやすい、レジンの変色やレジン部分がすり減ったり壊れやすいなどがあります。
CADCAM冠は、金属を使用しないのでアレルギーが少なく影も出にくいため比較的綺麗ですが、金属などに比べて外れたり割れるリスクが高くなります。
ブリッジの場合は今のところCADCAM冠は認められておらず金属を用いてしか治療ができないのと、歯の残り方や一部の小臼歯に前装冠が認められたりと条件が様々あるので、実際のお口の中の状態によって変わるのでその際にご説明をします。
自由診療の場合は制限などがないため、どんな材料でも使用が可能です。
また条件も自由になるので、以前は金属しかできない歯に保険の前装冠をを自由診療で使用する例があったり、ブリッジで金属しかダメな部位に前装冠を入れたりすることもあるようです。
昔から自由診療でよく用いられる材質として、金(ゴールドがあります。
見た目のこともあって奥歯で使うことが多いですが、金は酸化しにくく良く伸びるので適合も良い材料です。
ただ、純金では柔らかすぎるので、使う部位や被せの範囲で別の金属を混ぜて強度を上げるのでその金属によっては酸化することもあります。
他に、昔の白い歯というと、メタルボンドなどと呼ばれる金属の表面に陶材を焼き付けて白くて綺麗な歯を作る方法があります。
2000年前後は審美修復というとこの方法が主でした、ただ、金属を使うので金属部分は酸化する可能性があったり前装冠と同じく屍肉との境目に影ができたり、歯茎が下がると金属部分が黒く見えたりで審美面に問題が出たり金属と陶材をくっつけるので2つの別の材料が混じるので陶材部分が割れたり剥がれたりする可能性があったり、色調も金属色を隠すのに透明感のない歯になりやすいなど技工士さんの腕に依存する部分が多くありました。
現在はオールセラミックと言われる、白い材料だけで作る方法が一般的です。
このオールセラミックも種類がいくつかあり、ガラス系のセラミックである長石、2ケイ酸リチウム、ジルコニアなどがあります。
これも細かく話すとさらに種類が分かれるので、大きくはこの3つがあると思ってください。
長石は強度が弱く衝撃に弱いですが色が綺麗です。
強度の問題もあり、ラミネートベニアなどと言われる歯の表面に薄く貼り付ける治療やインレーと言われる部分的な修復などに使われることが多いです。
2ケイ酸リチウムは強度が高く、丈夫で見た目も綺麗です。
ただ、歯軋りや食いしばりをされる方や噛む力が強い方などは奥歯に使用した場合は割れる可能性があります。
そのため、ブリッジの場合は奥歯に適応がなく、前歯などを中心に使用されます。
ジルコニアはさらに強度が増した材料で、ブリッジの奥歯にも用いることができます。
表面がツルツルで汚れがつきにくく、インプラントへの応用もされており生体親和性も高いものです。
ただ、割れない材料ではないので、強すぎる力では割れることがあったりします。
オールセラミックと言われる材料は白くて綺麗ですが、他の歯と同じような色合いにするためには歯の色を再現しないといけません。
その方法もいくつかあって、複雑な色を出すには技工士さんの匠の技が必要になります。
材質や色など気になる方はお気軽にご相談ください。
- Q.顎がカクカクするのはなぜですか?
- A.顎関節症と言われる病気です。
下顎の関節部分にある関節円板という軟骨がずれて、そこに口を開ける際に下顎の関節部分の骨が動く時に軟骨に当たってカクカクと音がします。
カクカクする音はなかなか消えないため、痛みや口の開き方に問題がなく食事に困るなどの日常生活に支障がなければ特に治療の必要はないと言われています。
ただ、その原因が顎関節に負担がかかって生じている場合は注意が必要なので、まずは歯科医院にご相談ください。
- Q.血がサラサラになる薬を飲んでいて抜歯できないと言われました。どうしたら良いですか?
- A.歯の状態によりますが、抜歯を回避できるならまずは歯を保存することを考えます。
抜歯が必要な場合は、まずは主治医の先生に確認が必要になります。
もし、お薬を止めて、血管が詰まって脳梗塞や心筋梗塞などが起こる方が重大な問題になります。
そのため学会などの指針ではできるだけ薬は継続下で抜歯が推奨されているため、当院では縫合や止血剤、止血床を使ってできるだけ薬を継続したまま抜歯をしています。
開業医での対応が困難なくらい血が止まりにくい場合は、大学病院などをご紹介し抜歯していただくこともあります。
- Q.骨粗鬆症で飲んでいる薬の説明文に抜歯に注意と書いてありました。どうしたら良いですか?
- A.骨が減らない代わりに増えにくくなる薬が一部あります。
抜歯して骨が治る前に感染すると骨髄炎を起こしたり骨壊死が生じることがあるので注意が必要です。
現在の学会等の指針では、薬を中断してもその効果には疑問がついているので、継続して抜歯することが増えています。
薬の投与が始まる前にしっかり口の中の治療を行うことが推奨されています。
抜歯の際は主治医の先生に確認して、必要なら薬は継続したままで抜歯し治癒するまで洗浄したり経過をみます。
抜歯するしないに関わらず口腔内を清潔に保つことが感染予防に繋がるので、定期的に歯科に通院し、できるだけ抜歯しなくて済むようにすることをお勧めします。